今回は、又吉 直樹さんの書籍『劇場』に書かれている名言を紹介していこうと思います。この書籍は、山﨑 賢人さんと松岡 茉優さんが演じる映画化にもなっているみたいです。詳しくはこちらからご覧ください。又吉さんについては『「又吉直樹」の名言集|第153回芥川龍之介賞受賞作家』の記事で大まかに記述したので、そちらをご覧ください。それでは、下記で名言を紹介していきます。
『劇場』の名言集
簡単なものを複雑にすること
簡単なものを複雑にすることを人々は許さないけど、複雑なことを簡単にすると褒める人までいる。本当は複雑なものは複雑なものでしかないのに。結局、自分たちの都合のいいようにしか理解しようとしていない。
劇場
「それな~~」と声が出てしまう言葉でした。簡単なことを難しく説明すると「簡単に言ってよ」と言われ、難しいことを簡単に説明すると「ありがとう」と感謝をされる。難しいことは難しいものでしかないのに、自分が理解するために簡単にしてもらいたいと思っている人が多いように感じました。ここで例を挙げると、株だったりFXだったり、手をつけたことがない人が「難しそう」と思うことを簡単に説明して騙す詐欺だってある。だって根本的には難しいままなのだから。何もかもを簡単に得ようとするのは、よろしくないように思いました。
演出家の仕事ではない
役者を褒め続けるのが演出家の仕事ではない。お遊戯会じゃないのだから、お互いに褒めあって、偽りあって、傷を舐めあっても変化は起こらない。
劇場
ここでは、「役者を褒め続けるのが演出家の仕事ではない」と書かれていました。それに「褒めあって、偽りあって、傷を舐めあっても」とも書かれており、”なら演出家の仕事とはどのようなものなのだろう”と想像を膨らませるばかりでした。演出家とは、”作品の芸術性を引き出す人”とGoogle上では定義されており、どうすれば引き出せるのだろうと考えました。小学生の頃に中学生の問題を解くような、そんな難題に挑んでいるような感覚に陥る言葉でした。
自分から生まれた発想
自分から生まれた発想が本当に自分を突き動かす力を持っていたら、僕は他人の評価など構わずに、なんでもやってしまうだろう。
劇場
この「他人の評価など構わずに、なんでもやってしまうだろう」の言葉、自分そのもので驚きました。自分は言葉を生み出す物書きとして活動をしているので、色々と見たり書いたりするのですが、結局は”これを書きたい”と思わないと動けませんからね。自分の発想からでた”物語”は、意外と万人受けするのかなと思ったりしました。言葉を紡ぐときになる”自分ではない誰か”が、「他人の評価を気にしない人格」なのかなと勝手に想像しました。
未来に恐怖を感じるように
未来に恐怖を感じるように、等しい時間の隔たりがある過去にも同じように恐怖を感じるのは自然なことなのではないか。
劇場
何が起こるのか分からない未来に対して抱く恐怖と、その考えている未来と同じくらいの距離にあった過去への恐怖、どちらも自然なことなんじゃないかとのこと。過去は過去で辛いことや悲しいことがあり、忘れられないものとして恐怖になっているのかなと思いました。未来は未来で今の自分がどうなるのかだったり大事な人への心配が大きくなり、それらが恐怖になるのかなと思いました。分かりえない恐怖と、分かりえた恐怖、どちらも酷く恐ろしいものですね。
演劇は実験である
演劇は実験であると同時に発見でもある。演劇で実現できたことは現実でも再現できる可能性がある。
劇場
凄く面白い発見をしたように思いました。演劇とは、脚本に沿って流れていくものですが、その脚本は現実を元に作るものだと思います。演劇で何かアクシデントが起きたのであれば現実でもそのアクシデントが起こりえると言えるんじゃないかとのこと。「これは演劇だから」と高を括っていると、自分がそのアクシデントに巻き込まれる当人になる可能性もありますよね。そう考えると、現実と非現実は表裏一体だと感じました。
さいごに
今回は、又吉 直樹さんの書籍『劇場』に書かれている名言を紹介していきました。どうだったでしょうか。書籍を読む時間がないだったり、書籍を読むと眠くなるという方は映画もあるので、そちらを観てみることをおすすめします。詳しくは『Amazonプライム [劇場]』から見てみてください。この記事を通して、この書籍に興味を持ってくれると嬉しいです。このサイトでは引き続き、”名言”の記事を更新していくので随時チェックしてくれると嬉しいです。