
今回は、140字小説の新星.神田 澪さんの書籍『すべての季節に君がいて』に書かれている名言を紹介していこうと思います。神田 澪さんは他にも、『最後は会ってさよならをしよう』や『私達は、月が綺麗だねと囁き合うことさえできない』などの書籍もある作家のようです。ぜひ、この機会に他の書籍も見てみてください。では、下記で名言を紹介していきます。
『すべての季節に君がいて』の名言集

きっと必要な恋だった
ふらりと寄った美術館で元恋人のことを思い出した。とても内気な人だった。あの人と付き合わなかったら、彫刻に興味を持つことはなかっただろう。展示室に一人分の靴音が響く。何も知らない自分に作品の魅力を丁寧に教えてくれた。ハッピーエンドにはならなかったけれど、あれはきっと必要な恋だった。
すべての季節に君がいて
「きっと必要な恋だった」として成仏できるものって素敵だと感じますよね。不必要なことばかりに魅力を見出してしてしまう人生ですが、元恋人が教えてくれたことは必要だった。ハッピーエンドな映画のように終わらなかったけれど、今の自分にとって大事なんだと思わされるものならばハッピーエンドに似た何かを感じ取ることはできたのでしょうか。付き合っている頃は何とも思わなかったものが、別れてから気付くものになる。寂しいですが、必要な恋だからなのでしょう。
告白の返事がOKなら
鏡に映る私はいつもより少し大人びて見れた。スマホを手にとり君とのチャット履歴を確認する。待ち合わせは今日の夕方、花火大会の会場前。どんな顔をしていけばいいだろう。君から来た最後のメッセージがくすぐったい。「会場前に来てください。もしも告白の返事がOKなら」
すべての季節に君がいて
少し淡い恋心を抱き、君に会いに行く前のシチュエーションが描かれていました。「会場前に来てください。もしも告白の返事がOKなら」という、独特な状況に戸惑いながらも「OKだから行く」という選択をした子が思い浮かびました。君と会うとき、どのような顔をしていればいいのかと悩みながらも会場前に着いているところが可愛らしいなと感じました。
小さなドラマ
いつも小さなドラマを期待していた。帰り道が同じにならないか。僕の方に消しゴムが落ちはしないか。僕の引いたくじが隣の席に君を呼んできた時、重い本の表紙が開く音が聞こえた。すぐ横の君に話しかける言い訳を考えている。この物語の続きは、きっと自分の力で。
すべての季節に君がいて
プロフェッショナルの方々が作り上げてきたドラマではなくていいから、ごく僅かなドラマの断片にもならないような状況を好きな人と期待するという、生きていればあるあるな様子が描かれていました。帰り道が同じだとか、消しゴムの落ちる先が自分の方へだとか、席替えのくじで隣になりたいだとか、小さな期待を何回も抱くのは好きだからなんでしょうね。最後の「この物語の続きは、きっと自分の力で。」というところは”そうだよな”と考えさせられました。
100年後の誰か
消えてしまいたいと思った時、誰も助けてはくれなかった。周りに相談してみても。気晴らしに飲みに誘っても。この悩みを理解できる者はいない、そのことだけが分かった。絶望の底にいた僕を救ったのは百年前に書かれた本だった。だから今、下手なりに執筆に精を出している。百年後の誰かを思いながら。
すべての季節に君がいて
ここの言葉は、今の自分にも当てはまる部分があると感じました。今書いているこの記事も、数百年後の誰かに興味を持ってもらえるコンテンツになっていると嬉しいですし、自分の書籍も人を救うものとして認識されてほしいなと思いました。数年前に刊行された書籍で思考が変わって以来、もっと他人に気を配れるような人として生きていこうと思えました。この言葉のように、「下手なりに執筆し、百年後の誰かに思いを託そう」と思いました。
ここは未来観測所
ここは未来観測所。「最終通知」に同意した国民の死が近い場合、職員は通知書を渡しにいく。世間には的中率は7割と公表しているけれど、本当は99%が3日以内に永眠している。私たちは死神と呼ばれ皆から疎まれた。だから身寄りのない少女が「あなたに会えて良かった」と笑った時、私は初めて泣いた。
すべての季節に君がいて
「あなたに会えて良かった」と言われる機会ってなかなか無いんじゃないかと思います。だからこそ、その言葉を言われたときは”そんなに思ってくれたんだ”と感じ、言葉のように嬉しすぎて泣いてしまうかもしれません。毎日会っている人などには常日頃から感謝の言葉を言うことに気を付けましょう。いつ話せなくなるか分からないのだから、話せるうちに、会えるうちに、言いたいことを言いたいままに、素直に伝えてみましょう。
さいごに

今回は、140字小説の新星.神田 澪さんの書籍『すべての季節に君がいて』に書かれている名言を紹介していきました。どうだったでしょうか。短文ながら、伝えたいことを伝えたいままに表現する能力が凄く長けているなと感じる言葉たちでした。この記事を通して、この書籍に興味を持ってくれると嬉しいです。このサイトでは引き続き、”名言”の記事を更新していくので随時チェックしてくれると嬉しいです。