今回は、凪良 ゆうさんの著書である『汝、星のごとく』と『流浪の月』に書かれている名言を紹介していこうと思います。『流浪の月』では第17回本屋大賞を受賞しており、『汝、星のごとく』では第20回本屋大賞と第10回高校生直木賞を受賞しているようです。ここまで売れている本にはどのような言葉が書かれているのか、下記で紹介していきます。
『汝、星のごとく』の名言集
お荷物なだけの親など
お荷物なだけの親など捨ててしまえ。そう言える連中は正しい。わかっていても、切って捨てられないから血は厄介なのだ。正しさだけですべてを決められたら、どれだけ楽だろう。
汝、星のごとく
「血は厄介なのだ」という短文が、なんとも言えない哀愁を漂わせてますよね。父と母の血を継ぐものとして、どれだけ無能な親だとしても捨てられないのかという葛藤。著者も「正しさだけですべてを決められたら、どれだけ楽だろう」と書いていますよね。ここでいう正しさがなんなのか分かりませんが、一つ分かることとしては要らないものを捨てるという正しさはある、ということの様に感じました。
自ら生きる権利がある
何度でも言います。誰がなんと言おうと、ぼくたちは自らを生きる権利があるんです。ぼくの言うことはおかしいですか。身勝手ですか。でもそれは誰と比べておかしいんでしょう。その誰かが正しいという証明は誰がしてくれるんでしょう。
汝、星のごとく
私もあなたも、あなたの親もあなたの恩師も、ちゃんと生きる権利があるということです。ここで自分は、「なら死ぬという選択をする権利もあるのか」と考えてしまいました。生きる権利を誰かと比べてしまったり、死ぬ選択を誰かのせいにしてしまうとして、その誰かの正しいは誰が証明してくれるのでしょうか。ここは、少し謎が残る言葉でした。
愛の形とは
わたしにとって、愛は優しい形をしていない。どうか元気でいて、幸せでいて、わたし以外を愛さないで、わたしを忘れないで。愛と呪いと祈りは似ている。
汝、星のごとく
自分にとって印象深い一節として、「愛と呪いと祈りは似ている」がありました。どれも似ていないように見えて、実は似ているということなのでしょうか。「愛は優しい形をしていない」もまた、忘れられない一文として心に残っています。「どうか元気でいて、幸せでいて、わたし以外を愛さないで、わたしを忘れないで」という文章を書けない自分にとって、凄く嫉妬してしまうものでした。
いいことが起きたあと
いいことが起きたあとは、ふたつ悪いことが起きる。うまくいっているときほど気を引き締めろ。人生は甘くない。
汝、星のごとく
一歩進んで二歩下がるという四字熟語に凄く似ている表現のように感じました。いいことが一つ起きたのなら、悪いことが二つ起きるという言葉。確かに、人生でうまくいく時期ほど悪いことに巻き込まれやすいですよね。他にもよい出来事の裏側で、悪い出来事に遭遇するなんてあるあるですよね。
『流浪の月』の名言集
ずっと楽に生きられる
ひとりのほうがずっと楽に生きられる。それでも、やっぱりひとりは怖い。神さまはどうしてわたしたちをこんなふうに作ったんだろう。
流浪の月
ひとりのほうが、自分の思い通りに物事が進むから楽に生きることができる。でも、ずっとひとりを貫くと”怖い”という感情を抱くことがあります。あの感情をなぜ、神様は人間に与えたのでしょうか。「あなたが居なくても楽しい、でもあなたがいればもっと楽しい」という言葉をどこかで見たことがあります。ひとりでは経験できない楽しみを、ずっと憧れるということが怖い感情を育んでしまうんですかね。
白い目とは
白い目というものは、被害者にも向けられるのだと知ったときは愕然とした。いたわりや気配りという善意の形で、『傷物にされたかわいそうな女の子』というスタンプを、わたしの頭から爪先までぺたぺたと押してくる。みんな、自分を優しいと思っている。
流浪の月
この言葉は物凄く共感しました。自分が小学生の頃、父を亡くしたんですけど「父を亡くした可哀想な男の子」として先生や周りの大人が接してくるんですよね。先生は「〇〇さんは何をしたいかな〜」みたいに特別扱いをしてくるし、周りの人は「何か欲しいのある?」と聞いてくる。可哀想な子に群がる大人を、”自分のことを優しいと思っているのかな”と思っていたことを思い出す言葉でした。
どんな痛みもいつか
どんな痛みもいつか誰かと分けあえるなんて噓だと思う。わたしの手にも、みんなの手にも、ひとつのバッグがある。それは誰にも代わりに持ってもらえない。
流浪の月
どんな痛みだって分かり合えるという言葉を聞いたことがあるけれど、そんなん無理だろうなと思ったことを振り返れました。「その経験をして痛みを知ったのは自分であって、なんも経験していない人には分かりえない痛みがある」ということをずっと思っていました。自分だけが持つバッグは、他の誰かが持つことなんてできないんだと思いました。
今が不幸みたい
昔は楽しかったなんて思っちゃいけない。だって今が不幸みたいじゃないか。
流浪の月
なーんか、親だったり大人の話を聞くと「昔は楽しかったよな」とか「昔は良かったよ」と口癖のように言う人が多いなと感じていました。だからか、この言葉を見て共感してしまいました。今も楽しいし良い環境ではあるのに、それを否定するような言葉だということに気づけました。この本を通して、自分が口に出すべき言葉を考え直す機会になれました。
さいごに
今回は、『汝、星のごとく』と『流浪の月』に書かれている名言を紹介していきました。どうだったでしょうか。本屋大賞を獲るほどの書籍ともなると、一言一句がずしずしと心に突き刺さりますよね。この記事を通して、この本に興味を持ってくれると嬉しいです。このサイトでは引き続き、”名言”の記事を更新していくので随時チェックしてくれると嬉しいです。