今回は、木下 龍也さんと鈴木 晴香さんの書籍『萩窪メリーゴーランド』に書かれている名言を紹介していこうと思います。この作品は、歌人として活動されている2人が、現代短歌の新境地に挑むものとなっているようです。誰もが使える言葉に、命が吹き込まれているような感覚になれる書籍だと思いました。短歌をより一層好きになることができました。それでは、書かれている名言を紹介していきます。
『萩窪メリーゴーランド』の名言集
語尾に「ね」を添える
「いつか海辺に住みたい」に「ね」を添えて ふたりの夢をひとつ増やした
萩窪メリーゴーランド
語尾に「ね」を添えるだけでも、2人の夢になるのだと思いました。「いつか海辺に住みたい」だけだと、自分だけの夢なように捉えてしまいます。しかし「いつか海辺に住みたいね」と言うことで、"この人は私のことも視野に入れてくれてるんだ"と嬉しくなれるように感じました。誰かと一緒にいるときは1人の夢というよりも、2人の夢として語り合うほうが良い関係を築けるのだろうと思いました。
帰り際の台詞
帰りたくない、を書き足したくなるよ 改札前のきみの台詞に
萩窪メリーゴーランド
改札前、手を振って別れる場面ですが、そこで「帰りたくない」という台詞を言わせたい人の言葉なのだろうと思いました。殆どは素直に帰ってしまいますが、もしこの恋愛が自分の書籍だとしたら「帰りたくない」という台詞をここで挟むのだろうと思いました。いつも会えることを当たり前と思わずに、会えるときはずっと会えるような関係が理想だと思いました。物書きとして活動している自分にとって、「書き足したくなるよ」という表現は思いつかなかったので素敵だと思いました。
LINEはまだ知らない
会っているあいだは途切れるから まだLINEは会えたことを知らない
萩窪メリーゴーランド
LINEで「待ち合わせはここ」とか「〇時に着きそう」という連絡はするけれど、会っているときは直接話せるから、置いてけぼりになったLINEはどうなるのだろうと思いました。会う約束だけを知っていて、会っているときの会話を知らないLINEを想像してみると、「この人たちは会えたのか」と思ってそうだと思いました。会っているときの会話を知らないLINEを想像してみて面白いと感じました。
まっすぐ歩く決意
まっすぐに歩くと決意するだけで 他者はたいてい避けてくれるね
萩窪メリーゴーランド
まっすぐに歩く決意をするだけで、道にいる人らは避けてくれるとのこと。街中でそういったことをすると「変な人」になってしまうかもしれませんが、「特定の業界で生き抜く」と決めて歩み始めると「その業界でぬくぬくと生きていた人」は避けてくれるのだろうと思いました。いつまでも現役を続けられる人なんて数少ないわけで、それなりの覚悟を決めないと生きていけないのだろうと思いました。
当たり前がないだけ
寝るまえに必ずくれたおやすみが来ないから 返さないそれだけ
萩窪メリーゴーランド
寝る前のLINEが日課となっているカップルの話みたいだと感じました。寝る前に彼氏が「おやすみ」と送ってくるのが日課となっていたが、今日は送られてこなかったから自分も返していないのだと思いました。来ることを当たり前と思っているからこそ、そういった選択をできてしまうのだろうと思いました。いつも来ていた連絡が来ないのであれば、自分から「おやすみ」と送ればいいのにと思いました。
さいごに
今回は、木下 龍也さんと鈴木 晴香さんの書籍『萩窪メリーゴーランド』に書かれている名言を紹介していきました。どうだったでしょうか。この記事を通して、この書籍に興味を持ってくれると嬉しいです。このサイトでは引き続き、”名言”の記事を更新していくので随時チェックしてくれると嬉しいです。