名言

文月 悠光『大人をお休みする日』の名言集|中原中也賞受賞詩人!

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今回は、文月 悠光さんの書籍『大人をお休みする日』に書かれている名言を紹介していこうと思います。この作品は、"中原中也賞"受賞詩人である文月 悠光さんが書いた「恋と暮らしに寄り添う」ような詩の集大成となっていました。いつもならば見つけられない光を、この作品を通して見つけることができるように感じました。それでは、書かれている名言を紹介していきます。

『大人をお休みする日』の名言集

風が撫でるもの

風は私の髪を撫でていくが、心まで撫でているとは知らないだろう。光は私の肩に舞い降りるが、心まで照らしているとは知らないだろう。心は一瞬触れただけで、風や光と溶け合うというのに。

大人をお休みする日

風がどういった思いを抱き、私たちを撫でていくのか考えさせられる言葉だと思いました。髪や服などをサッと撫でていく感覚はあるけれど、心までもを撫でているという感覚はありませんでした。しかし考えてみると、風がサッと通るたびに心の中で何かしらの思いが湧くような感覚はあるのかもしれないと感じました。光についても、心まで照らしているとは思わなかったので、新たな発見でした。

傷口が近くにある

自分の機嫌は、自分でとる。そう努めることが、よい「大人」の秘訣でしょうか。「自分の機嫌くらい」、ね。ちくりと刺された心地がしてうつむく。「自分の機嫌だから」むずかしいのに。世話を焼く対象が外にいてくれた方が、そっと見守ることができるだろうに。傷口は近くにあると、つい触りすぎてしまう。

大人をお休みする日

「自分の機嫌は自分でとる」と言われているけれど、何歳になろうとも難しいことなのだと思いました。「傷口は近くにあると、つい触りすぎてしまう」という言葉が正に、自分の機嫌をとれない表現方法としては適切だと感じました。その対象が自分の外側にいてくれれば、見守ることができるだろうに、近くにいてしまうから難しいのだと思いました。大人になるって、どういうことなのでしょう。

夢から覚める

夢から日常へ引き戻されていく、朝の顔を鏡で確かめていた。起き抜けは、尻尾を生やしていたけれど、だんだんと人間じみて、見知ったわたしになっていく。洗面台に張りついた、泡の足あとをたどりながら思い出す。このあたりの家は皆、蜂の巣のようであったと。

大人をお休みする日

夢から日常へ目覚める瞬間、先程まで見ていた夢の内容が薄れる感じがして嫌になります。朝の顔を鏡で確かめ、ベッドから起き上がることで人間じみてゆき、いつも通りの自分へとなっていく退屈さがあるのだと思いました。「ずっと夢の中でいいのに」とは、何歳になろうとも抱く夢なように感じます。しかし、自分の思い通りにいかない日常だからこそ、幸せに気付けるのだろうと思いました。

何かを生み出す

この手で新しく何かを生み出すこと。それは祈りであり、わたしたちが別れに抗う唯一の手段、もういない誰かを悼むこと。思いのすべてを言葉に編み入れて、窓辺で編み続ける彼女の手を、11月の陽射しが温かく包み込んでいた。

大人をお休みする日

自分自身の手で、何かを新しく生み出すことが「別れに抗う唯一の手段」だと書かれていました。また「もういない誰かを悼むこと」とも書かれていました。何もしなければ、スッと別れが訪れたときに抗うこともできず、引き込まれるだけだけれども。何かを生み出していることで、別れに対しての抵抗をすることができるという意味では最高だと感じました。生まれた以上、何かを生み出すべきですね。

待ち合わせのさなか

わたしはいつから歩き出したのだろう。とうに大人になったはずなのに、どうしても思い出せない記憶があって、そこから、ずっと誰かを待っている。まだ見ぬその人のことを考える。この瞬間も、いつか出会う誰かとの、約束のない「待ち合わせ」のさなか。

大人をお休みする日

「約束のない"待ち合わせ"のさなか」という言葉が、グッと胸に刺さるように感じました。ふと行きたくなった場所に、実は会いたかった人がいるとか。ふと行きたくない場所で、大きな事故が発生していたりとか。私たちは生きている限り、数々の選択をしているけれど、その選択の先に「約束のない"待ち合わせ"」があるのかもしれないと感じました。約束をしていないからこそ、気軽にどこへでも行くことができる感覚に気付けるのだろうと思いました。

さいごに

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今回は、文月 悠光さんの書籍『大人をお休みする日』に書かれている名言を紹介していきました。どうだったでしょうか。この記事を通して、この書籍に興味を持ってくれると嬉しいです。このサイトでは引き続き、”名言”の記事を更新していくので随時チェックしてくれると嬉しいです。