
今回は、梨さんの書籍『自由慄』に書かれている名言を紹介していこうと思います。『かわいそ笑』でデビューした著者さんですが、『行方不明展』などでも活躍されている方のようです。今作では「Chapter9」から「Chapter1」へと戻っていく作りとなっており、書かれているフォントも変わっていたので飽きない作りになっていると感じました。それでは、書かれている名言を紹介していきます。
『自由慄』の名言集

読者アンケート
古本に挟まれた手作りの読者アンケートの、宛先として記された個人電話番号。
自由慄
自分はよく書店で本を買うので、本に挟まれた用紙について知っていたので「こういうことが現実で起きたら怖いな」と思いました。挟まれているだけで気にしなければ良いだけなのだろうけれど、"手作り"で"個人電話番号"が書かれた本ということ自体が怖いと思いました。何より、その本は今自分の手元にあるけれど、その読者アンケートを挟む作業があったと思うと嫌悪感を抱いてしまいますね。
臨時速報
「明日生き残ってしまうのはこちらの方々です」という臨時速報とともに、十数個の人名が表示された。
自由慄
現実では、臨時速報として地震や津波などの報道として流されることが多いですが、ここでは「生き残る人の名前」が速報として流されているみたいです。逆を言えば、"名前が載っていない人たち"は今日中に亡くなってしまう結末を迎えるわけで、どちらになろうとも恐ろしいと思いました。自分と恋人が同じ部屋にいて、速報で「自分」が選ばれたときの絶望は計り知れないだろうと感じました。
毎日見ている場所
毎日見ているが一生降りることはない線路で、毎日見ているが一生話すことはない人が死んでいた。
自由慄
これは電車通勤をする会社員にとって、可能性のある話なのだろうと思いました。最寄り駅から電車に乗り、会社近くで降りて出社をする中で「毎日通るけれど、降りることのない駅」が出てくると思います。また、降りることのない駅で「毎日見ている人」も出てくると思います。その人がある日の朝、その駅で人身事故を起こして亡くなってしまう可能性は0ではないのだろうと思いました。
走馬灯
走馬灯の右下に表示された「広告をスキップ」
自由慄
走馬灯とは、その人がこれまでの人生で見た記憶が映し出されるものですが、YouTubeみたく右下に「スキップ」という表示が出てくるのだろうかと思ってしまいました。Z世代と言われる方々は、タイパを重視しておりドラマなどを倍速で観ている傾向があるみたいです。走馬灯も「スキップ」に加え、倍速で観られる機能も備わっているのだろうかと考えてしまいました。また、「一時停止」や「おすすめの走馬灯」なども表示されているのではないかと想像が膨らんでしまいました。
通話相手
深夜に通話したら話し中だった先輩の名前を、翌日の全校集会で校長先生の口から聞いた。
自由慄
通話をしようと思って電話ボタンを押したけれど、「通話中」だった先輩。そんな先輩の名前を、翌日の全校集会で聞くという流れ。大抵は「事件や事故に巻き込まれた」という想像をしてしまうのだろうと思いました。自分もそっち側の想像をしてしまいました。深夜に「誰かと通話」をして、呼ばれた先で殺されてしまった。または、呼ばれた先で誘拐されてしまった。想像が膨らんでばかりですね。
さいごに

今回は、梨さんの書籍『自由慄』に書かれている名言を紹介していきました。どうだったでしょうか。この記事を通して、この書籍に興味を持ってくれると嬉しいです。このサイトでは引き続き、”名言”の記事を更新していくので随時チェックしてくれると嬉しいです。