
今回は、最果 タヒさんの書籍『夜空はいつでも最高密度の青色だ』に書かれている名言を紹介していこうと思います。この作品は映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』もあり、社会的に影響を与えている詩集だと感じました。現代におけるポエジーについて、どういうものなのだろうと知りたい方にとってはお薦めの1冊だと思います。それでは、書かれている名言を紹介していきます。
『夜空はいつでも最高密度の青色だ』の名言集

ゆめかわいい
ゆめかわいいは、死後みたいな、色。今も、地上のどこかでは雨が降り注いで、瞳のいくつかは手に入れられていた。きみをなでる透明の風に、いまさら、なりたくなんてない。
夜空はいつでも最高密度の青色だ
「ゆめかわいい」とは、「夢のようにかわいらしい」を略した言葉のようです。それを「死後みたいな色」と表現されているところに驚かされました。自分的には、夢のようにかわいらしい場所が死後の世界なのだろうと思いました。また「きみをなでる透明の風にいまさらなりたくなんてない」とありますが、これは死んでしまって風へとなりたくないという気持ちが込められているのかなと思いました。
愛情で語れる友情
きみがぼくに使うかわいいという言葉が、ぼくを軽蔑していない、その証拠はどこにあるんだろう。好きとも嫌いとも言えないなら、死ねって言っているようなものだと、いつだってきみは怒っている。ぼくは、きみを好きでも嫌いでもないまま、優しくありたい。かすかな、死の気配でありたい。愛情で語れる友情は、ただの代替品でしかない。
夜空はいつでも最高密度の青色だ
「好きとも嫌いとも言えないなら、死ねって言っているようなものだ」という言葉がグサッと胸に刺さりました。世の中には関わる人がいれば関わらない人もいて、好きな人がいれば嫌いな人もいるものです。しかしその両者にも当てはまらない人は、自分にとって不必要なのだろうと思いました。だからここで著者さんは「死ねって言っているようなものだ」と表現されたのではないかと思いました。
愛だけでは足りない
愛してで事足りるような孤独なんて持っていないよ。私をかわいそうだって言っておきたい人がいるから、ここはまだまだ優しい世界。全人類、私のために、生まれてきてくれておめでとう。
夜空はいつでも最高密度の青色だ
「愛して」で事足りるような孤独はないとのこと。「可哀そう」と言いたい人がいる限り、まだここは優しさに包まれているのだろうと思いました。他人に対して何の興味も湧かなくなったとき、優しさが失われていくのだろうと感じました。最後に「全人類、私のために、生まれてきてくれておめでとう」と著者さんが書いていますが、書いてる本人にも優しさが残っていることから、まだまだ優しい世界が続いていくのだろうと想像することができました。
心臓を守っている言葉
そこにいるだけでいいって、愛しているって、コピーペーストみたいな言葉で心臓を守ってる。信号も人も無視して走り抜けたら、死ぬだけの交差点。生きるのってなんだか飼い犬みたいだね。ここは渋谷、きみのこと嫌いになってあげようかって言えるぐらい かわいくなきゃ殺される場所。夢の街。
夜空はいつでも最高密度の青色だ
「コピーペーストみたいな言葉」という表現、自分は使ったことがなかったので斬新だと思いました。今やスマホやパソコンを利用する人が増えているため、誰かが言った台詞をそのままコピーペーストして送るということもあるような気がします。「かわいくなきゃ殺される場所。夢の街」と書いていますが、今の世の中の状況を言語化しているように感じました。「可愛くない子を叩く」という流れがネット上にありますが、それをうまく表現した言葉なのかなと思ったりしました。
きみの尊い命
きみがひとつの尊い命であるということを、ぼくは人間だから理解できたんだ。生まれてきて、よかった。
夜空はいつでも最高密度の青色だ
「尊い命」だということを理解するために、私たちは生きているのだろうと思いました。私もあなたも、そして著者さんも地球のどこかでは生きているわけで、命があるから繋がれているのだと改めて思わせられました。命が亡くなった人とはどうしても繋がり合えないわけで、今を繋ぎ合わせている人たちのことをより一層大事にしようと思えました。「尊い命」がある限り、生き抜こうと思えました。
さいごに

今回は、最果 タヒさんの書籍『夜空はいつでも最高密度の青色だ』に書かれている名言を紹介していきました。どうだったでしょうか。この記事を通して、この書籍に興味を持ってくれると嬉しいです。このサイトでは引き続き、”名言”の記事を更新していくので随時チェックしてくれると嬉しいです。