今回は、若松 英輔さんの書籍『見えない涙』に書かれている名言を紹介していこうと思います。この作品はシリーズものとなっており、数多くの読者に期待されている書籍なんだと思います。『燃える水滴』と『美しいとき』に関しての記事もあるので、合わせて読んでみてください。谷川俊太郎さんが「活字から声が聞こえる、若松さんの詩には体温がある」というコメントを残しており、第33回 詩歌文学館賞を受賞した作品のようです。それでは、書かれている名言を紹介していきます。
『見えない涙』の名言集
記念日だから
今日は記念日。 あなたとわたしが出会った日。 いっしょにお祝いをしたいけれど あなたがいるところへは 行けないから いくつかの言葉を贈ります。 ぜったいに独りにしない そう約束したのに 突然 逝ってしまったあなたへ。 かなしみという 藍色の切手を貼って。
見えない涙
記念日が訪れたけれど、一緒にお祝いをできない関係へとなってしまった悲しみが表現されていました。この世とあの世で繋がり合える何かがあれば記念日も一緒に祝えるだろうけれど、繋がり合えないからこその悲しみがあるのだと感じました。「ぜったい独りにしない」という約束が果たされないまま、1人この世に残ってしまった書き手はどのような人生を歩んでいくのか気になります。
あたらしいもので埋まる
あたらしい友達で 日常をいっぱいにしてはならない。 苦しいときも じっと かたわらにいてくれた 旧友の席がなくなってしまう。 あたらしい言葉で こころを一杯にしてはならない。 困難のときも ずっと 寄り添ってきた 旧い言葉の居場所がなくなってしまう。
見えない涙
あたらしいものを経験することは、人生を生き抜くうえで大事なことですが、あたらしいものばかりに目移りするのは良くないのだろうと思いました。古くからの友達や言葉を見放してしまうのは、どうしても心が許さないように感じます。あたらしいものは面白みがあるかもしれませんが、古くから身近にいる人やある言葉を大切に思い、日々感謝をして生きていくことに意味がありそうだと思いました。
唯一無二の本
強く思う人の ふとした振る舞いにも 何かを感じるように その本の佇まいから たった一つの言葉からでも 尽きることない意味を くみとることができる。 ようやく出会った 運命の人をまえに はじめて 声を発するときのように ページをめくるのが ためらわれる 人生の一冊を 探せ。
見えない涙
出会ってしまった運命の人がいるのと同じように、出会ってしまった人生の1冊を見つけることが重要なのだと学べました。人から得ることも沢山ありますが、人生を変えてしまうような1冊から得ることも沢山あるものです。自分は『20代で得た知見』という本に出会い、作家になろうと思いました。本が人生を変えてくれることもあるので、沢山の本と触れ合い、人生の1冊を見つけるべきですね。
贈るべきもの
愛する者に 何かを捧げたいと願うなら 言葉を贈れ。 断崖から 手を突き伸ばして ようやく つかみとった 一輪の花のような 美しき言葉を贈れ。悲しむ者に 何かを渡したいと願うなら 言葉を贈れ。 踏まれても育ちつづける 野草のような 壮き言葉を贈れ。
見えない涙
愛する者に何かを捧げたいと思うのなら、高価なものばかりではなく、言葉を贈れとのこと。人は相手に喜んでほしいとき、どうしても「何を与えようか」と考えてしまうのだと思います。「何か」ではなく「言葉」が一番、贈ったときに沁みるものなのだと思いました。いつもは言ってなかったけれど、特別な日に「いつもありがとう、これからもよろしく」と一言添えるだけでも良いのだと感じました。
花を咲かせよ
心に 悲しみの花を咲かせよ。 身を打ち砕くような 嘆きはいつしか 種子になり たましいに根を張るだろう。
見えない涙
悲しさをできるだけ感じないように生きている人がいるものです。楽しいことばかりをして、幸せそうな見た目になる人がいます。けれど生きていく上で重要なのは、心に悲しみを持っておくことなのだと思いました。悲しみを持っているからこそ、他人の悲しみと共鳴し合えるように感じます。人と人の繋がりには、沢山の思いがあるものですが、根底には"悲しみ"があるのだろうと思いました。
さいごに
今回は、若松 英輔さんの書籍『見えない涙』に書かれている名言を紹介していきました。どうだったでしょうか。この記事を通して、この書籍に興味を持ってくれると嬉しいです。このサイトでは引き続き、”名言”の記事を更新していくので随時チェックしてくれると嬉しいです。